【中1】なぜ覚えるだけでは足りないのか?

昨日の授業で、先生が本当に伝えたかったこと。それは、どんな些細なことでも「頭を使いながら覚えること」の大切さです。

例えば、2H₂O。この「2」はなぜここにあるのか? OなのかO₂なのか、右下の小さな「2」は何を意味しているのか? それに、授業中に伝えた必殺技「先頭の数字 × 足元の数字=原子の個数」という法則は、なぜ成り立つのか? これらをただ丸暗記するのではなく、考えながら理解することが重要です。磁石を使ってモデル図を示したのを覚えていますか? あのとき、目の前で分子が組み上がる様子を見た瞬間、ただの記号の並びが「意味を持つもの」に変わったはずです。

丸暗記を全否定するわけではありません。時には必要です。しかし、ただの暗記では、必ずいつか限界がきます。因果関係を理解して覚えることに慣れると因果関係のない覚え方に抵抗感を覚えるようになり、「なぜ?」と考えずにはいられなくなります。その疑問を解消するために参考書を開き、またネットで根拠を探す。「読み比べ」。これが本当に意味のある勉強です。

昨日の夕方に中2のH君が自習室で英文を書いていましたね。「この語順になる理由を説明できる?」と聞いたところ、答えに詰まっていました。模範解答を丸暗記していたのです。これでは応用がききません。そこで、文型について説明の異なる4冊の参考書を渡しました。H君は1時間ほどかけて、それを丁寧に読み比べていました。そして、その後のやり取りでは「これはC? O?」という問いに、きちんと答えられるようになっていました。

自分の頭で考え、異なる説明を比較し、納得するまで繰り返す。これこそが、知識を自分のものにするということです。

模範解答を写して終わるのは勉強とは呼びません。理屈を理解し、それを説明できるようになって初めて、ワンステップクリアです。出来る限り早めにこの習慣を「当たり前」にしていきましょう。