【中2】成績アップの最短ルート――『言われた通りにやる』の大切さ

新中3の生徒たちを見ていると、ここ1ヶ月で明らかに変化が現れてきました。中3生の卒業とともに学習への意識に差が生まれてきたのです。

例えば、定期試験で450点を取る子たちは、こちらが学習の目標を示すだけで、自分で次にやるべきことを理解し、スムーズに家庭学習を進めています。

一方で、430点に満たない子たちも、自習室に足を運び、自主的に学習を進めるようになってきました。今までは「宿題?え、出てました?」とトボけていた彼らも、一歩前進し、自主学習に取り組み始めています。ここ最近では小テストでも高い合格率を維持し、疑問点があれば質問するという行動に変わってきています。今、最も変化しようとしている子たちです。

しかし、そんな中でも、毎回の授業で行われる確認テストに四苦八苦している生徒が数名います。 そして、彼らのノートを確認してみると、ある共通点が浮かび上がりました。

それは「教えられた通りに解いていない」ということです。

授業で指示した解き方を守らず、自己流のやり方で進めてしまっているのです。

例えば、文章題では何をxと置くのかを最初に明記すること。解が2つ出た場合は、両方の解が有効かどうかをxの範囲で確認すること。こうした基本事項を板書では赤字で指示しているのに、それに留意していないのです。赤が赤であることを認識していないのです。

「少しくらい違っていても大丈夫」 そんな気持ちで取り組んでしまうのかもしれません。しかし、簡単な問題ならともかく、難しくなるとそのズレは致命的なミスにつながります。

想像してみてください。新人の外科医が開腹手術をする際に、指導医から「まず鋏鉗子で組織を切離して」と指導されているにも関わらず、いきなり血管を切断してしまったら——。

イカゲームもびっくりの大量の血で手術室が真っ赤に染まるはずです。そんな医者に命を預けるなんて、怖くてできません。

これは勉強も同じです。基本の型を守らなければ、大きな仕事を任せてもらえる機会は失われてしまいます。

机の上で勉強をしている間、勉強が出来ないという害を被るのは自分に対してだけですが、仕事の現場では必ずそこに相手が絡むので、その害は自分だけにとどまりません。だからこそ、まだその被害が自分だけで留まっているうちに「言われた通りにやる」という姿勢への修正が何よりも大切になってきます。

成績を上げたいと願えば願うほど、勉強時間を増やそうと力んでみたり、ついつい問題をたくさん解こうとしてしまいがちです。しかし、成績アップの最短ルートはそこではありません。

それは「授業で教えられたことを、人に教えられるくらいに忠実に再現すること」。

毎日の勉強開始時点で「授業の復習」から入る。いきなり問題は解かない。これは本来、中1の段階で身につけておくべきことですが、ここでもう一度修正するタイミングが訪れました。しかし、これがラストチャンスかもしれません。

残された時間は限られています。だからこそ、回り道せず、最短ルートを進むべきです。

「言われた通りにやる」——それが、成績を伸ばす最速の方法です。

まだまだここから、頑張れ!