前回の授業では宮大工の話が長くなったので、書きませんでしたが、飛鳥時代でしたので、乙巳(いっし)の変や壬申の乱が当然出てくるわけです。そこから話を広げてこれらの名称は干支に由来があることを話しました。
さすがに干支を知らない生徒はいませんでした。では、なぜねずみが先頭なのかを知っている生徒はクラスの三分の一くらいでし。「ねずみがうしの頭に載ってて、最後ジャンプして、1番になったから…」。と答えていました。
じゃあ、干支の支が12支から来たんだとすれば、干はどこから来たのかを問うと誰も知りませんでした。
10干12支から「干支」になっています。
10干とは地球の構成要素みたいなもので、「木、火、土、金、水」。そしてこれらそれぞれのプラスバージョンとマイナスバージョンで計10個です。
甲 きのえ 木+
乙 きのと 木-
丙 ひのえ 火+
丁 ひのと 火-
戊 つちのえ 土+
己 つちのと 土-
庚 かのえ 金+
辛 かのと 金-
壬 みずのえ 水+
癸 みずのと 水-
これで10干です。
ついでに、
子 ね
丑 うし
寅 とら
卯 う
辰 たつ
巳 み
午 うま
未 ひつじ
申 さる
酉 とり
戌 いぬ
亥 い
これで12支です。
これらを組み合わせます。
1年目が「きのえ ね」、2年目が「きのと うし」、そして3年目が「ひのえ とら」という具合に一つずつ前から順番に言葉を組み合わせます。
10干の方が10の倍数の年数で一周し、12支の方が12の倍数の年数で一周するので、再び「きのえ ね」に返って来るのは10と12の最小公倍数の60の年経った後です。
ここから、60歳の年を暦が一周回るという意味で「還暦」という言葉が生まれているんだよと話しました。壬申の乱が645年になるのは遡れば分かるよと説明したのですが、さすがに2025年の干支も話さずに終わったので、補足をしてみたいと思います。
今年2025年はちょうど「きのと み」に当たります。
実際に遡って確認すること面白いので、こちらに表を準備してみましたので、興味のある子は、こちらで確認してみて下さい。黄色は有名な歴史イベントに色を付けました。
視力検査のように小さくなってしまったので、拡大してみて下さい。

古い方から順に確認して行くと…
645年 乙巳の変(蘇我の入鹿が殺される事件ですね。)
670年 庚午年籍(日本で初めての本格的な戸籍の誕生ですね。)
672年 壬申の乱(天智天皇の後継者争いですね。)
1868年 戊辰戦争(旧政府軍と新政府軍の戦いですね。)
1894年 甲午農民戦争(朝鮮半島で起こった農民の反乱ですね。)
1911年 辛亥革命(清から独立し、中華民国が誕生する革命ですね。)
1924年 甲子園球場が出来た年ですね。(歴史的出来事と呼ぶにはどうかと思いますが、阪神ファンにとっては歴史的出来事であることは間違いないですね。)
という感じで、確かにその年号と干支が一致していることに気付くはずです。
これが分かったから歴史が出来るようになる訳ではないのですが、小さな興味を掘り下げてみるのは大切なので、補足しておきますね。