新中1〜新中3の皆さんへ
大阪進研模試の出題範囲と模試実施日を示しました。4月6日実施の春の模試が近づいてきましたので、試験範囲表をお知らせ致します。
(中3生はここに藤井書房の模試が9月、10月、11月と加わりますが、現時点では出題範囲がまだ明かされていませんので、一旦大阪進研の出題範囲表だけを配布致します。資料が到着し次第改めてご連絡致します。)
1年生へ
模試が初めてという1年生にとって、今回の受験は「勝負」ではなく「測定」です。つまり、自分の現在地を知ることが目的です。
範囲表はまだ粗く、全ての問題がピンポイントで出るわけではありません。
ですが、理科や社会といった暗記系の科目は、復習によって得点につながりやすい領域です。
出来る限りの準備をした上で臨んでみましょう。
2・3年生へ
2年生の社会は並行型です。下部に中世の日本(鎌倉時代まで)と書かれていますが赤線と被ってしまっているので注意して下さい。
※世界地理の世界の諸地域については、『地理の教科書(東京書籍)』P53までの内容です。
3年生の英語選択問題は受動態、現在完了は両方勉強しておいて下さい。どちらかは当日にお知らせします。
【重要】 模試の意義を再確認しよう
模試を行う意義は幾つかありますが、その中でも特に大事なものを3つ書きたいと思います。
この時期の模試をどのように活用するかで、今後の成績だけでなく、学習の質そのものが大きく変わってきます。
①まとめノートは「整理する力」を養うためのもの
勉強は1周目より2周目、2周目より3周目の方が理解が深まります。その際に有効なのが「まとめノート(Aノート)」の作成です。
まとめノートは書きながら情報を整理することが重要です。”写す”だけでは意味が半減です。
ポイントは、矢印などを用いて、因果関係を整理することです。
例えば、「吉野ヶ里遺跡=環濠集落」という知識は、それだけだとただの一問一答で終わってしまいます。しかし、“なぜ環濠が必要だったのか”を考えると、そこに当時の社会構造が浮かび上がってきます。
敵が攻めてくるのを防ぐのに用いられたのが環濠なので、この時既にムラどうしの激しい争いがあったことが分かります。
石製の剣が刺さった人骨が発見されたりしていることからも口喧嘩のようなレベルではなく、命を懸けた戦争というイメージも沸いてきます。
こういった争いが起きる背景には縄文時代には無かった貧富の差が生まれたことが分かります。
定住生活に変わったことで、住む土地(土壌)によりその収量が異なり、稲作に適した土地や水をめぐる争いが想像できます。
移住生活(縄文時代)→定住生活(弥生時代)→収量の差→貧富の差→激しい争い→環濠で防御(原始的な城の役割)→吉野ヶ里遺跡
このような因果関係を押さえることで「理解」に変わります。
「ポイントは因果関係を示す矢印です!」
②逆算思考と「あそび」
試験前の勉強がうまくいかない生徒の多くに共通するのが、“逆算”の不在です。
特に定期試験で450点を越えられない子はこの問題を抱えていることが多いように思います。
必要な学習量を見積もり、日数で割り、どこまでに何を終わらせるかを計画できません。「10ページ進めるのに1時間かかるから」とおよその必要時間を割り出します。次に。試験7日前まで終える計画を立てます。これは一案ですが、過去の先輩の例でいうとこれをきちんと守っていた生徒が多いように思います。
万が一予定通りに終わらなかったり、直前で体調不良等、想定外の事が起こっても予備期間としての「あそび」が確保できるようにしておきます。
たとえば、車のハンドルには「あそび」がありますが、これは少しハンドルを切っただけでタイヤが動いてしまうのを防ぐためにあります。低速のうちはさほど気になりませんが、高速運転中だと問題が発生します。隣の車線に入り込むなどの事故を防ぎます。
一方で、繊細な挙動が求められるF1レーシングカーにはハンドルに「あそび」がありません。
これを皆さんの勉強に置き換えると、勉強が初心者運転のうちに予定をギリギリに詰め込むと、ひとつのズレが全体を狂わせます。“遊び”が計画に柔軟性を持たせます。これは最初のうちは特に大切で、経験を積むことで、F1カーのような高精度な計画も可能になります。
③志望校設定は「目標」と「戦略」の起点になる
模試の結果が活きるかどうかは、「志望校」が明確かどうかにかかっています。目指す高校が決まっていれば、偏差値や出題傾向、必要な内申点とのギャップも見え、早期からの準備が可能になるからです。そういう意味では②に近しいところがあります。
たとえば、今年(2025年2月)、政府与党と維新の会が「高校授業料の無償化を2026年度から全国で実施する」と発表しました。
奈良県はこの発表時点で、公立一般選抜出願締切まであと10日。短期間で多くのご家庭が方針を見直しました。実際、ある生徒のご家庭では、併願で行きたいと思える私立高校に合格していたことを踏まえ、「それなら公立にチャレンジしてみよう」と、公立高校の受験レベルを2ランク上げた例があります。
時に、外部環境の変化は進路選択に大きな影響を与えます。学校再編や統合、進学重点化などもそれに当たります。今年の入試で奈良・郡山・一条といった人気校の倍率が上がった背景にも、こうした無償化の動きがあるのではないでしょうか。
来年度はさらにこの傾向が強まる可能性があり、早めの戦略がますます重要になります。
入試も事前準備が重要であるように、模試も事前準備が重要です。
①②は主に模試前の話ですが、③は模試後の話です。
③も大切ですが、やはりこの時期は①②>③です。
目標との差分の埋め方、そしてその差分をどう埋めていくのか。
模試は、そんな問いを皆さんに投げかけているのではないでしょうか。