今日は中3 A の国語について書いてみたいと思う。
今、中3 A 組は国語の文章読解に取り組んでいる。秋の模擬試験の結果を見ると、国語が70点台で止まってしまうなど90点代に乗る生徒が例年に比べて少なく感じたからだ。
気になって一人一人の答案を見てみた。
話は脱線するが、最近の模擬試験は優秀で、成績帳票に答案を全て印刷してくれている。誰がどこで間違えたのかが手に取るようにわかる。
課題である国語の答案を見ると意外なほど選択肢問題で失点していることだった。
ここでなるほどと気がついた!
選択肢問題を「消去法」で解いているのだ。
一般的に国語苦手とする子たちのほとんどは選択肢を見比べ最もらしい記号を選んでいる。おまけに世間では、選択肢問題は消去法を使えと多々言われる。加えて、絶対など100%言い切りの文言が入っていたらその選択肢は切りなさいとか、解答技術的なことがもてはやされる。しかし、私個人としてはこれらの方法を参考にはしても、普段の練習時からこれに頼ることはおすすめしない。
青のりや紅ショウガはあくまでも焼きそばのわき役でありトッピングである。
もちろん段落の並べ替え問題等であれば私も選択肢から解答を検討する。
しかし、それ以外の場合はこの単語が入っている選択肢を選ぶという解答根拠をもって選択肢を確認する。アから順番に確認し、イでキーワードに出会えばそこで回答の吟味を終える。これが基本だ。
消去法に対して積極法とでも呼べばいいのだろうか。この視点がないと選択肢に振り回されてしまう。
問題作成者は引っ掛けようとして本文中の表現を引っ張ってくる。それも印象的でもっともらしい表現を横に並べてくる。だからこそ確固たる回答根拠を持って挑まないと右へ左へ振り回される。
この積極法で解くための最も良い指導は「文章全体の要約をさせる」。これに尽きると思う。少なくとも現段階においてはこれが最適解だと思う。
そこで、毎回の指導では50語から90語程度の要約をさせるようにした。授業内では一人一人に要約を述べさせ、必要ワードが入っているか、そしてそれが論理的に正しいのかどうかの確認を行う。おかしい場合はその場で指摘し修正する。
要約の際には3つの点を盛り込むことを指導している。
この3つだ。
実際の要約を書く順番は①③②の順で書かせている。
国語の力が弱い場合、本を読みなさいとか、問題をたくさん解きなさいとか、そういった指導がまかり通っているように思う。私自身も中学校3年生の時の担任には本を読みましょうという指導を受けたことがある。
国語を解くのと、本を読むのは別。背後にある論理関係を整理する教科なので、量を解いたからと言って出来るわけでもない。量を解いて出来るようになることがあるとすればそれは読解の基本技術が分かっている場合だけだ。
話を元に戻すと、要約する力が身に付けられれば記述問題も選択肢問題にも大差はない。
選択肢問題は解けるが、記述問題が苦手というのは本当の意味で文章が読めていない証拠だ。記述問題にしろ選択肢問題にしろ、入るべきキーワードは決まっている。それを選ぶか、書くか、その違いだけだ。
3年 A 組は現在、他の教科をストップさせ、来る日も来る日も国語の読み方と要約の仕方を練習している。この3週間で国語の基本的な読み方を徹底して身につけさせ、その後は練習を繰り返すことで完成状態に持って行こうと思う。
正しいステップで指導すれば必ず伸びてくる。国語は伸びない教科ではない。
① 筆者が何のテーマについて話を進めているのか。
② 筆者が述べたい結論は一体何なのか。
③ ②の結論を導くための根拠は何なのか。