原石の発見

昨日、驚いたことがあった。

普段は勉強が苦手で、

授業中も手を挙げることのなかった生徒が


国語の授業中、
急に手を挙げてバンバン答えるという場面があった。

その子は、数学も英語も苦手。
勉強に対して自信が持てない子だった。


周囲の子たちも、普段の様子との違いに


どうしたん?急に。

と少し驚いた様子だった。




今まで点数出せなかったの何で?

というくらいにスパスパ答える。


本人も何だか嬉しそう。




しかし、解答中に一つだけ気になる点を感じていた。


解答する箇所は合っているのに、

その付近をそのまま読むだけで、

問いに対する答えを正確に答えられていない点だった。



例えば、
「人々がなくなった原因は何ですか?」

との質問に。


「木を切りすぎて、木がなくなってしまったこと。」
と答えるべきところを


「木を切りすぎて、木がなくなる。」と答えてしまう点だった。



夏からの入塾だったので、

残念ながら国語の答案用紙を見る機会がなかった。


これくらい解答の目星を正確に付けられているなら


答え方の指導で、グッと伸びるんじゃないか。
そう感じた。



英語や数学は本当に苦手な生徒だったから、
どこを指導の糸口にしようかと手探りだったので



突如目の前に宝物が現れた気がして、
その日は興奮が収まらなかった。





指導の中でいつも大切にしていることがある。



それは、
得意こそグングン伸ばすという指導。


一切バランスなどは考えず、
歪であれば歪であるほど良い。

最初はそれで良い。


だけど、どこか一つだけはピーンと伸びた状態。




やはり、不得意なものを伸ばすのには限界があって、

不得意はある程度まで行ってもやはり不得意。



子供って自信を持つと本当に頑張るようになるからね。


得意なものは、それだけで飯が食えるようになるんじゃないかと思うくらいに


秀でていく。


過去にも何度もそんな場面を見て来た。


些細な事かもしれないけど、嬉しかったんだ。


本当に本当に原石を見つけた気がしたんだ。