この時期は1枚もの(どこかの私立の過去問演習や他府県の公立入試問題)を解かせる授業が増えてきますね。
実戦形式で、時間を測定し、得点率を見るのは大切です。
しかし、実はこれだけだと力は付かないことは頭に入れておきましょう。
入試問題の解説では、生徒も先生もヒートアップするので、その問題が解けるようになることが重要というメッセージが普段以上に強く届いてしまいます。
入試問題が問うのは断片です。
その問題をやり直したからといって決して力が付くわけではありません。
(真面目なのに、勉強のコツが掴めない子の多くはここを勘違いしています。)
分かりやすく九九で例えてみましょう。
3×6=12を間違えたとしましょう。
そして、3×6=18を覚え直したとします。
しかしこれは、81パターンの中の1パターンですね。
他にも穴があるかもしれません。
九九全体を確認する必要がありますね。
(数学的には必要十分でないと言えば分かりやすいのかもしれません。)
間違えた問題だけを修正する学習の進め方は、言わば「モグラたたき学習」です。
受験生のみんなは、ハンマーでモグラを叩かず、ゲーム機をコンセントから引っこ抜いてもぐらを死滅させて下さい!
(ゲーセンで現実に行われても郷田は責任は取りません。あくまでも比喩です。)
良い先生は「この問題を間違えた人はテキストのP15~P22までの例題を全て解きましょう。その上でもう一度今日間違えた入試問題を解いてみましょう。」など、「類題演習の具体的指示や演習教材の提示」をしてくれるはずです。
授業の上手な先生は、その問題を通してどういうことを理解させたいのか、テーマを描いて授業に臨んでいます。授業の前からそこまでのルートが想定済みなのです。
さて、ここまで読んでくれた受験生は気づいてくれていると思います。
仮に、1時間入試問題を解けば、周辺を埋める勉強がその3倍~5倍くらい発生するはずだと。
そうです。
毎日のように入試問題を解く勉強はこの時期決して正しい勉強とはいえません。
入試問題を解いているわりに、ぐんぐんと力が付く実感がない場合は、類題演習と入試演習の時間に傾斜を加えてみてください。
特に、暗記系の理科、社会などは効果を発揮するはずです。
がんばって。