挫ける受験生とその原因

普段は分からないことでも、圧力がかかった状況に陥るとその子の本質が見えることがあります。

特に入試は普段見えないものをさらけ出してくれます。良い面、悪い面、両方です。

今日は、悪い面について書いてみます。



意外かもしれませんが、入試を目前に控えたこの時期に現実から目を背けようとする子は少なくありません。


塾に行くと言ってサボってみたり。
朝方までゲームやPCをいじり、次の日は遅刻。
お腹が痛いと言い出し、気が付いてみると1週間、2週間と休みが続き塾へ足が向かなくなるなど。


特に秋口から始まります。結果と向き合わなければならない時期からです。
周囲のムードが受験モードに切り替わる時期からです。
人によっては年明けくらいまでは続きます。

大抵の子達の気持ちは以下の2つで占められます。
①早く開放されたい。
②向き合うのが怖い。自信がない。自分の力ではどうしようもない。

気持ちの20%が①で、残り80%は②でしょうか。

彼らは、決して勉強しなくて良いと思っている訳ではありません。


「行動の起こし方が分からず」悩んでいる事が殆どです。


最初に目につくのが勉強から逃げるという逃避行動なので、「甘ったれるな」と強く言ってしまいます。しかし、一歩踏み込んで話を聞けば本人なりに悩んでいることも分かります。

どうして良いのか分からず八方塞がりになっていることが原因です。
その一つにコミュニケーションへの指導があります。

先生に相談できません。
自分の想いが口に出来ません。
先生に質問せず、友達に逃げてしまいます。
すぐに親が「あぁしたら良い、こうしたら良い」と解を出してしまいます。その結果、考える機会を奪います。
人前で「母」と呼ばずに「ママ」と呼ぶことに違和感を感じていなかったり。


すぐに休ませてしまったり、子供に質問させるところを親が代わりに質問してしまったり、こどもの主張をすぐに通してしまったり。大切に思うあまり肝心なところで、子供が傷つかないための消波ブロックとなっていることはないでしょうか。


大人とのコミュニケーションの取り方を都度指導されず、大人との接触を避けてしまう子は、肝心なところでの振舞い方が分かりません。平時には見えないだけで、すこしずつ大切な何かを失っています。

入試直前で、挫けてしまう姿は誰も臨みません。
特にここ数年、加速しているように感じるのは私だけでしょうか。