定期試験対策の良い麺と悪い麺とは?

 定期試験対策授業は良い面もあれば、悪い面もありますね。出来ればしたくないですが、やる必要があることも事実です。定期試験のことばかりを意識させるとどうしても「一瞬の打ち上げ花火」型勉強になってしまいます。この点について私の考える問題点を2つ書きます。

<プラスの麺>
 勉強は考えることももちろん大切ですが、その土台である暗記の要素は当然ながら無視できません。テスト期間にグアーっと圧力をかけて頭に叩き込もうとする。そのために覚え方を工夫する。忘れなようにするための復習を定期的に入れようとするなどの良い作用もあります。

しかし、マイナスの面があるのも事実。
<マイナスの麺>
 ①その期間だけ頑張れば良いと考える生徒も少なくありません。むしろ、大半の生徒が考えるのはこっちです。例えば、「塾でもう勉強してきたからいいねん。」「家では完全OFF。」お母さん達からも「試験期間中でも家では完全OFFなんです・・・」という嘆きの声を沢山耳にします。「やった」という事実ではなく「どこまで覚えたか」「どれくらいできるようになったか」「ここまでやったから90点取れる自身がある!」ここを目指して欲しいのですが、「もうやったからいい」そうなってしまうことも少なくありません。これは2点目とも深く関係します。

 ②「頑張った後」は、その反動で休みたい気持ちが強まるものです。大人でもそうです。頑張るというのは幾らかは自分に無理をさせています。ダイエットの失敗例が後を絶たないのはどこかに無理をしているといのがあるのでしょう。無理は反動を生みます。一旦落ちたところからまたペースを上げていくといのは結構大変です。元の状態に戻すにはそれなりに時間とエネルギーを要します。「無理は大きな反動がセット」です。

 一気にエネルギーをかけて、またストップしてを山谷のように繰り返す「一発花火型勉強」と、コンスタントに続ける「粘る線香花火型勉強」とでは結果的に勉強の総量では後者に分が出ます。そうなると「粘る線香花火」型勉強のように毎日コツコツと積み上げる勉強は長く続ける上で重要な取り組み方になります。小学生の間に「コツコツ」を習慣化させる目的はここが一番です。

 もちろん両方の花火が必要であるのはその通りなのですが、私がイメージしているの勉強法は低学年から粘る線香花火型勉強を続け、その炎を大きくしていくことが重要と考えています。
 
 試験の直前に9割、普段1割でやるのではありません。普段の勉強で5割程度はすでに完成していて、テスト直前で残り5割を仕上げていく。毎日積み上げることで理解が増しますし、毎日続けるから「わかってないことにすぐに気付けます」。少しずつ少しずつ勉強が上手になっていって、普段6割、直前4割。普段7割、直前3割といった具合に徐々に普段の勉強に軸足を乗せていく勉強法です。

 日々トレ正にこれを狙った仕組みです。「コツコツやれ!」では誰もやりません。その仕組みをきちんと与えて、管理して。修正して。これを繰り返す中で身についていくものです。それが当たり前になるまでは本当に苦痛で苦痛で。きっとめちゃくちゃ大変だと思います。私も日々トレが楽だとは思っていません。続けていくことで楽になる瞬間が来ますので、そこまでは私と生徒の根比です。最初のうちは「日々トレやったから、もう勉強いいねん」という子がいても不思議ではありません。こういった子については普段の授業や面談のなかでコンコンとこちらの価値観を染み込ませていくしかありません。
 
 こうして蒔いた種がいつかきっと目が出ることを信じ続けてやっていくことでしょうか。個人的にはこういった勉強ができる子たちに育てたいと思っています。
 とにかく、一定の量をコツコツとさせ続けていくには、「起伏を作らないこと」。タンタン麺を食べ続けられるようになった子は高校に行っても強いと感じています。