昨日、たまたまLINEを遡っていたんだよ。そしたら塾を開校したての時に指導した生徒のお母さんからのLINEにたどり着いてね。内容を読むと「先生にご報告です」。そう書いてあったんだよ。先日、それを読み返した際にふと頭を掠めたことがあったので、今日はそれについて書こうと思う。
その子は中2の時に駅前の大手塾から転塾してきた子でね。クラスは一番下のクラスだったよ。中3になっていよいよ受験勉強を頑張ろうと思っていた際に、Goda塾が開校したことを知って来てくれて移って来てくれたん。
「あー、何も指導してもらえてなかったんだな」って。もちろんその子の努力もあったと思うよ。だけどね、明らかに放置されてたんだろうなって状態だった。
うちに来て心機一転頑張るんだけど、何せ基礎ができてないから、進むたびに問題とぶち当たって、それを一つ一つ乗り越えていくって作業の繰り返しだったんだよ。
秋になって外部模試なんか受けるでしょ。夏に頑張ったのに全然結果が出なくて本当に落ち込んでいたね。
その頃から、学校に行けなくなったんだよ。勉強しているとね、お腹が痛くなって何時間もトイレに入ってしまうんだよ。やっぱり年頃の男の子だからそういうの気にするじゃない。学校はトイレの個数も多いからまだ良いかもしれないけど、塾はトレイの個数が1つしかないので、占有してしまうと周りのみんなに影響出すでしょ。そんなのもあって、学校にも行けない、塾にも行けないっていう状態になったんだよ。その当時はオンライン授業なってなかったから、そう言うサポートもしてあげられなかったんだ。
何も出来ない状態が2ヶ月くらい続いたかな。他の生徒がいない時間に来てもらって指導をすることになったんだけど、最初はあまりに突然のことだったから原因がわからず、病院に行っては様子を見て。行けると思ったらまたダメで。色々な病院を転々としたんだよ。処方された薬が効き始めて、これでいける!と思ったのがちょうど12月くらいだったね。入試まであと3ヶ月。
だけど、その時には学力も随分落ちていて。。。結局は精神的なもので、緊張するとすぐにお腹が緩くなってしまってたんだね。一旦行けると思って塾には来るようになっても、授業の途中で1時間くらいトイレに入っているとこともあったね。
だから、みんなが帰った後からお母さんに送ってもらって深夜24時から授業開始。終了は26時。この子がきっかけでGoda塾の深夜特訓が始まったんだよ。そして、これを毎日入試の1日前まで続けたんだよ。お母さんも朝から仕事があるのに、本当に大変だったと思う。みんなでその子をサポートしたんだね。
結果、希望の高校に合格して。やれやれ。卒業していったのね。その後もお母さんから半年に1回くらいのペースで近況報告をいただいていて。いよいよ大学受験。
また、例の腹痛が起こり始めて。。。勉強したいのに出来ない。気の弱さが再び顔を出したんだね。浪人することになったんだよ。実は一年間死に物狂いで勉強したにもかかわらず、また次の年も腹痛が顔を出して浪人。2浪。3浪は出来ないと何とか自分が納得できる大学に入って、現在大学生活を送っているのね。
実は、その子が塾を卒業する時に、うちの塾に戻ってアルバイトしたいとずっと言ってくれてたんだよ。自分がしてもらったことをちゃんと恩返ししたいって。
だけど、結果的に進学した大学が中部地方の大学だったから、うちの塾でアルバイトは出来なくてね。
そして昨年の冬にお母さんから送られてきた写真がどどーんと「合格」という筆で書いた字を生徒と一緒に持ったその子が写った写真だったんだよ。人生で初めて自分がサポートした生徒が合格したんだって。
何が言いたいかって?そう。今日の本題。
今の自分は仕事を振り返って、塾の先生って楽しそうだな。塾の先生っていいな。と思ってもらえるくらいに生徒にとって夢を与える仕事の仕方をしているかってことを自問自答したんだよ。
塾の先生になって欲しいとかそういうことではなく。子供から見て、仕事するのって楽しそうだなって。
塾の先生って、子供に夢を与える仕事だと思うんです。直接子供と毎日触れ合うわけで、塾や学校の先生の姿を通して社会を見ていくのが特に小学生や中学生の子だと思うんです。
情熱に燃えていて、子供に勇気を与えられているか。また、頑張ろう!って夢を与えられているか。それが重要だと思うんです。小学生、中学生って自分の力で頑張ろう!となれる子はほんの一握りで。第三者が声をかけて、自立できるようにサポートして、巻き込んで行って、熱を帯びていって。そうやって少しずつ頑張ることの大切さや、自分の出来不出来に気づきながら成長していく時期だと思うんです。
受験技術はもちろんのこと、そういった役割のことを片方の目では考えておくべき。そんな風に思っているんです。
そんな責任の大きな仕事をしているんだということを半年前に送られてきた写真を見て、ふと考えていました。というお話です。
遠くの場所で一生懸命頑張っていることが知れて安心しました。うちの塾ではないですが、遠くの場所で子供という同じものに向き合って一緒に頑張っていると思うと、なんだか戦友のような気持ちが湧いてきて。
こちらも負けじと頑張って行こう!そう思えました。