「丁寧」の意味を誤解しないで!

昨日ノート指導のことをちょろっと書いたが、付け加えることを思い出したので今更ながらに付け加えておこうと思う。

成績が上がらない子は「やり直し」が無いと先に書いたが、もう一つ付け加えるとすればそれは「丁寧でない」という点だ。こう書くと、字を綺麗に書いて出そうとする子がいるがそうではない。

「丁寧にやりなさい」とは、考える道筋を省略せず、順を追って、ミスが起こりやすいところでは速度を落とし、ここまでのところは大丈夫だよな?と度々振り返りながら、前進していく姿勢のことだ。

途中計算が無いノートや、論理が飛躍する説明などが最たる例。

要は修正指示が頻繁に入る子は「丁寧でない」のだ。それは言い換えると、論理的に物事を組み立てられていないわけだから、成績が伸びないのは当然。ここにいち早く気づいた者が先に成績を上げて行く。

ではどうすれば「丁寧」になれるのか、それは一人学習(自学)をすることだ。対話の相手は「教科書、または参考書」どちらでも良い。とにかくそこに書かれている一文の意味が分かるまで絶対に先に進まない。絶対にだ。分かるまで何度も読み直す。読み返す。←ここ重要。

優秀な人たちが書いた書き物がいかに「丁寧」に伏線を張り、順序立てて説明しているかを知ることだ。指示語があれば、それを探す。接続詞があれば、それに従って話の展開を辿る。

これは授業では出来ない。人によって理解の速度が異なるからだ。

一人学習は自分にペースが合わせられるのが良い。だから、伸びる子は一人学習になっていくのである。途中過程を省略せず、「AだからBになる、これよりCになる」という風に、まるで解説を書くかのように解答してもらいたい。それも作家になったつもりで。そうすれば成績は伸びる。

そもそも授業とは「受動的な行為」で能動的ではないのだ。唯一能動的になれるのが作家として解答を書くという行為であり、また、作家になるために他人の著作物を丁寧に紐解くという行為である。

先生が言う「丁寧」は見た目の丁寧さではない。「思考手順の丁寧さ」である。