大学受験、本当にそれで上手くいくのかしら?

中3のA組に二次方程式の解き方を導入した。平方完成というのがあってね。こうやって、こうやって、こうやったら、ほらちゃんとxの値が出せるでしょ?と証明して見せた。

二次方程式には「解の公式」というのがあって、「エックスイコール、ニーエイブンノ・・・」という、あの懐かしい奴である。

しかし、このクラスには最初から公式は教えなかった。

最初は遠回りなやり方でたっぷり苦しんでみろと思っている。

手間で、行数も多くて。。。

そんなある時に公式を教えたら、驚くほど早いことに気づく。

楽であることを知る。

こうすることでようやく公式の有り難みが分かる。


ここだけ書けば、そんなのさっさと教えれば良いじゃないか。

公式は公式なんだし、知らなくても問題は解ける。という意見があることも知っている。

おまけに、高校受験や中学受験は脊髄反射で解く、タイムトライアル要素があるので、公式をバンバン使って前に進めるということ自体は否定できない。

しかし、高校受験をうさぎのように乗り越えてきた自称理系達が大学受験でも通用するかというと必ずしもそうではない。

大学受験の数学は2時間半とかたっぷりと時間がある。つまり、思考力勝負なのだ。ここでカメに勝ち筋が見え始める。

中学受験、高校受験と大学受験ではルールが異なるのだ。

脊髄反射のボクシングに対して、思考力の将棋という具合だ。

高校数学では大半の生徒が脱落し、自称理系のメッキが剥がれる。これはそれまでのやり方の先に高校数学を見ているからではないだろうか。

うちの授業の特徴は、道具の使い方を理解させ、場面に応じた使い方が出来るように仕込みたいと思っている。

遠回りが近道。

今はその理由が分からなくても、将来必ずそれに気づく時が来る。

多少時間がかかっても、骨太な指導をしたいと思っている。