模試帳票の見方。教科内での優先順位の付け方。志望校のランクアップのさせ方について書きます。

先日、藤井模試G回の結果が返って来ましたが地元中学校のTop10のうち6名がその中に入りました。

生徒人数が今の3倍ほどいた時は8名が過去最高でしたが、今の生徒数ではこれぐらいが現実的な数字の限界なのかなと思っています。

そういう意味で、塾生たちの頑張りは立派なものですが、一方でこの中に入っていない生徒もいますので、この生徒たちが次回以降どうやって成績を上げていくのかということについて、もう少し考えてみたいと思います。

模試の醍醐味はやはり志望校に対して判定が出ることでしょう。

判定が良ければ一喜一憂しますね。これは生徒にとっては嬉しいことです。しかし、ここで思考停止してしまうとせっかくの模試が台無しです。

模試返却後は大問別正答率を見る

模試返却後は各教科毎の大問別正答率に目を向けてください。模試によっては志望校毎の大問別平均得点率を出してくれていることがあります。

試験日当日、机を並べる他の受験者の状況を知ることはキホンのキです。

得点率が50%だとすると半分間違えなわけですから、すぐに手を打たなきゃとなるでしょう。しかし狙う学校の平均得点率が30%だとすれば相対的にこの生徒はよく出来ている方なので焦って追いかける必要はありません。緊急度と重要度で言えば、重要だが緊急ではないということになります。

むしろ、他の生徒が得点しているにも関わらず取れてないところの方が重要です。緊急度も重要度も高くなります。

全ての単元において平均得点率を超えるようになれば、自ずと判定は良くなってきます。なぜなら全ての単元が平均得点率を下回るということはほぼなく、超えている単元もあるからです。底上げが出来れば必ず合格圏に入ることができます。

私の場合は、平均得点率から見て10%ほど下回る単元には緑色のマーカーを打ち、20%下回る単元については赤マーカーをつけるようにしています。これにより、指導の優先順を明確にします。

秋の実力試験の段階では、理社で点数を取らすことにあまり注力しすぎる必要はありません。

まずは英数国の3科目に注力しましょう。上位校については5科目受験ですが、特色選抜は3科入試になるので、理社にリソースを割く必要はありません。

私の考えでは、秋のタイミングで理社の点数が高く、5科目の偏差値を上げてしまっている場合、今後の伸び止まりを引き起こす可能性もあり、5科の偏差値が高いことだけを諸手を挙げて喜ぶことはできません。時期と教科のバランスが大切です。

現段階では、5科の偏差値が低くとも英数国の3科目で平均得点率を割っていないことの方が明るい希望が持てます。

ここから冬休みに入るぐらいまでは英数国の引き上げを行い続けるのが良いと思います。

冬休み以降は理社を勉強の中心に据えて行きます。その場合、時間数で言うと理社7、英数国3くらいの比率です。

奈良の公立入試が3月の2週目ということがこの冬休みという時期設定をさせているのですが、入試時期が2月末などに移動すれば、今後はこれをもう少し前倒しする必要が出てくる可能性があります。

このように志望校別の平均得点率に注目しながら弱点を行う理由はただ一つ、

手持ちの時間が有限だからです。

言い換えれば「受験の最終段階では「いかに捨てるか」」が合否を決めるからです。

例えば、奈良の場合、今日から2月6日の私立入試まであと104日です。祝日を含めた休日は24日です。これはもちろん冬休み11日間を含んだ数字です。

ざっくり平日に3時間、休みに8時間勉強したとしても、手持ち時間は432時間です。さらにここに、塾の授業が入ることを考えると、実質的にしたい勉強と格闘できるのは半分の216時間くらい。これは丸9日分です。授業時間を加えたとしても丸18日間です。決して多くはない残り時間なので何をやるか以上に、「何を捨てるか」を決めるかが重要になってきます。

志望校を上げるかどうかの判断

次に、志望校内偏差値です。このタイミングで志望する学校内偏差値(全体偏差値ではありません。志望校内です。)が60を超えるようであれば学校ランクを一つ上げられます。

学校ランクを一つあげると分野別得点率の状況も変わるはずです。変更すると弱点補強箇所がぐっと増えてくるので、先ほどの残り時間と相談し、検討を進める必要があります。

大きく2つのテーマ、教科内での優先順位の付け方、志望校舎のランクアップのさせ方について書いてきました。

まとめ

1、まずは自分が合格したい際に心から喜べる選びましょう。

2、その学校の平均得点率と自分の得点率の差分を埋める戦略を立てる。

3、冬休み前までは英数国の3科目に軸足を置く。

4、冬休み以降は理社中心に切り替え、忘れない程度に英数国の反復を行うこと。

5、志望校内偏差値60を目安に、1ランク上にチャレンジするのか判断を行う。

模試と言っても使い方、見方は様々です。

志望校合格実現に向けて、具体的に何をどう進めるのか。やり方次第ではまだまだここから伸びることも可能です。判定が悪くても最後まで諦める必要はありません。

一つ一つ、緻密に進めていきましょう。

ファイト!