例年の恒例行事ではあるが、正直に言えば「恒例」にはしたくない。
公立判定テストの結果から、どうしても合格点に届かない生徒が出てくる。志望校に対してだ。それでも彼らは言う。「何としても受けます」「受験校は下げません」。
もう覚悟は決まっている。であれば、こちらもやるしかない。毎年、この補修の対象になるのは
奈良北と一条のちょうど間に位置する層の生徒たちだ。このあたりの子たちは、
- 言われたことをその通りにやりきれない
- 覚えるべきことが中途半端
- 授業の中にいると、どうしても埋もれてしまう
そんな傾向がある。
一つ一つの完成度が低い。だから集団授業の中では「自分ごと」にならない。放っておけば、そのまま流れていく。だから、目の前に座らせる。そして、読ませる。そして、答えさせる。理解しているか、その場で確かめる。「本当に分かってるのか?」「前回の授業の復習ができてるか?」
逃げ場を無くす。緊張感の中で、正面からぶつかる。この場で答えるためには、気合を入れて復習していないとどうにもならない。逆に言えば、この緊張感の中でパシパシと答えられるようになれば、普段の授業での聞き方の精度も上がる。そうなれば、彼らは必ず伸びる。
彼らの一番の問題点はここだ。大勢の中に入った瞬間、授業を「自分とは無関係のもの」として聞いてしまうこと。だから毎年、同じことをやる。目の前に座らせて、1つ1つ頭にグリグリと知識と答え方を押し付けていく。
今は理科。点数の底上げに全力で取り組んでいる。これが終われば、数学。次は社会。教科は順に変わっていく。
中には、ボーダーラインから40点下の生徒もいる。しかし、一教科10点上がれば状況は変わる。50点満点のテストでの10点は、とてつもなく大きい。だから、ミスは許されない。記述での曖昧な表現も許されない。厳密に、正確に、理解させる。それしかない。
中3の授業が終わってから、毎日やる。11時過ぎまでのトレーニング。時間が足りなければ、
さらに伸ばすことになるかもしれない。できる限りのことをして、受験に送り出したい。
「もっとあれを話しておけば良かった」そんな言い訳は、したくないし、してほしくない。だから、この補習をする時に覚悟を聞いた。「覚悟はある」。ボーダーライン付近の生徒は、テストをやれば半分は入れ替わるだろう。だからこそ、正確さと慎重さが勝負を決める。強い気持ちと冷静な判断力。
正直、思うことはある。「志望校、下げてくれたら楽なのにな」と。2ミリくらいは。
それでも、挑戦する姿は美しい。この年齢で逃げて得られるものなんてあるのだろうか。しかし、この年齢だからこそ挑戦して得られるものは、計り知れない。正直、嬉しいことばかりじゃない。それでも、本気の子たちとぶつかり合えるのは楽しい。一緒にやれていることは、やっぱり嬉しい。
急がないと。


