習い事の本質 | 成長のための舞台装置

習い事は、目的ではなく「手段」である。最近、そんなことを改めて考えています。

結果は、子どもによって異なる

ピアノ教室に通ったからといって、全員がプロのピアニストになれるわけではありません。努力を重ねて素晴らしい演奏家になる子もいれば、なかなか上達しない子もいます。最初は「やりたい!」と言っていたのに、途中で「行きたくない」と言い出す子もいるでしょう。

塾も同じです。

すぐに成績が上がる子もいれば、どれだけ頑張ってもなかなか点数に結びつかない子もいます。

もし「成績を上げること」「技術を身につけること」だけを目的にしてしまうと、「塾に通わせたけど意味がなかった」「ピアノ教室に通わせたけど何も身につかなかった」という結論になってしまうかもしれません。

私が大切だと思うこと

しかし、個人塾を運営する立場として、私はこう思うのです。

その習い事が、どんな姿勢や価値観を子どもの中に育てようとしているのか。実際に指導を担当する先生が、何を大切にしているのか。

それこそが、本当に重要なのではないでしょうか。

確かに、塾の場合「成績を上げる」ことが目的の一つです。

卒業する時に「目標が達成できたかどうか」は、一つ大きな評価基準となるでしょう。

でも、それ以上に大切なのは、子どもがどう成長し、どう変化したかだと思うのです。

小さな変化が、大きな成長

変化の幅は、子どもによって違います。でも、親御さんにとって、わが子が成長する姿を見ることほど嬉しいことはないはずです。

  • 自分から机に向かわなかった子が、自分から勉強するようになった。
  • いつも親に頼っていた子が、ある日突然、自分で準備をするようになった。
  • 塾へお弁当を届けてもらうのを当たり前だと思っていた子が、ある日「お母さん、いつもありがとう」と気持ちを伝えてくれるようになった。

もちろん、塾だけの力ではありませんし、塾が関われることは、ほんの一部かもしれません。

しかし、人との関わりの中で子どもが変化し、成長していくこと。それこそが本来の根っこにある願いであり、塾もその成長を支える「舞台」の一つなのだと思います。

これは塾だけに限らず、野球、サッカー、ピアノ、体操、水泳、英会話…どんな習い事でも同じではないでしょうか。

当塾が大切にしていること

当塾が目指しているのは、もちろん成績向上であり、学力を高めることです。だからこそ、簡単には超えられない壁に出会うこともあります。簡単に超えられる目標では、本当の成長にはつながらないかもしれません。

でも、それよりも優先したいのは、諦めずに最後まで頑張れる子に育てることです。

「できる子を育てる」よりも、「頑張れる子に育てる」。それが、私の一番の願いです。

価値観のすり合わせを大切に

わが子を誰かに託すということ。それは、その人の指導方針や考えにどれだけ賛同できるかと言い換えることが出来るのではないでしょうか。

これは、お子さん本人ではなく、親御さんにしか判断できないことかもしれません。

だからこそ、入塾の段階で、担当する講師との「価値観のすり合わせ」が非常に重要だと考えています。そして、私(塾)の責任でもあります。

日々の発信を通じて、自分の指導方針や考え方が保護者の皆さまに正しく伝わっているだろうか。もし伝わっていないのであれば、どうすれば伝わるのか。そう自問しながら、発信し続けなければならないと思っています。

正直に言えば、まだまだ十分にできているとは思っていません。足りない部分、改善すべき点は多くあります。でも、だからこそ、こうしてブログを書きながら、自分自身に問いかけ、発信を続けています。

もしこのブログを読んでくださった方の中で、「この考え方に共感できる」と思っていただける方がいらっしゃれば、それはとても嬉しいことです。

成績も大切。

でもそれと同等、いやそれ以上に子どもの内面の成長にやりがいと誇りを感じています。