三者懇談会の原点。

三者懇談会が始まりました。

子どもたちと過ごした日々を保護者と共に振り返るこの時間は、単なる結果の確認に留まらず、「子どもにどんな期待を持っているのか」お伝えする場です。

成績表では見えない、小さな変化をそこでお伝えします。もちろん、テストの得点や順位といった数字に表れる成長もあり、それを素直に喜び、称えることは一つです。

しかし、まだ数値にはなって現れていなくても、毎日接している者には確かに見えていることがあるものです。それは、大きな地震の前に必ず起こる初期微動のようなものです。

授業中の発言、大人な返答、こちらの想像の二歩上を行く動き、失敗を恐れない姿勢…。自信に満ちた発言や、物事に対する捉え方の変化といった「兆し」を読み取る中で、「この子は必ず地殻変動を起こす」と確信をもって言える瞬間があります。目つきが変わった瞬間。自信を失いかけた場面。叱られても真剣に耳を傾けようとする姿。毎日の指導と観察の上に見える、その子だけのストーリーがあります。

懇談ではもちろん、具体的な教科学力の伸ばし方もお伝えしますが、それは最小限にとどめます。なぜなら、やはり力の源泉は精神面にあると思うからです。

飛び級のソウマ、英語と朝ドラのヒロキ、「頼むから勉強させてくれ!」のソラ、特攻隊長・高速修正のトキオ、Goda教入信のユメ、静かな闘志のトモキ、好奇心の鬼リツ。マイペース・確実遂行のヒナリ。早朝課題のケント。それぞれに勲章のような成長の軌跡がありました。それぞれの持ち味を言葉に変えて、自覚を促し、背中を押すことこれまでの日々、積み重ねを誇らしく感じてもらいたいと願います。

面談の前後で、子どもの表情が変わる。そして、うつむいていた背中がまっすぐに伸び、声に張りが戻る。そんな姿を目の当たりにするたび、「励ましこそが指導」の原点であることを思い出します。残りの面談でも、子どもたちが自信に満ちた表情で教室を後にできるように、これまでのことをたくさんお伝えしたいと思います。