成績が上がる前触れ

これは私見ですが、成績が上がる前には必ず「前触れ」のようなものがあります

昨日、中3のトキオ君に「今のやり方で間違っていない。このまま続けなさい。」
と伝えました。

彼は夏ごろから明らかに意識が変わりました。
言われたことを確実にやろうとする姿勢が見え始めました。

もちろん、すべて完璧にできているわけではありませんが、それでもできる限りやろうとする意志を感じます

授業中にまとめノートの作り方の話をすれば、授業後にこんな感じでいいですかと確認を入れてきます。

夏休みの授業後には友達と一緒に質問し、23時半に帰宅することもありました。

周囲の子達は気づいていないかもしれませんが、遅くとも授業開始の1時間から2時間前には塾に来て勉強をしていました。誰よりも遅くに帰宅し、誰よりも早く到着して勉強する生活がありました。

塾が休みの日は近くの図書館に行って勉強しているとも聞いていますし、テストで間違えた問題や、覚えきれていない内容を一問一答形式で問題化し、頭に叩き込む姿を最近はよく見かけます。

そういう姿を見てきたからこそ、彼がここ最近出すヒットが、成績上昇の前触れのように見えているのです。

彼はこれまで定期試験で80点を超えることはほとんどありませんでした。
しかし最近は、模試でも80点を超えることが出て来ました。
ご存じの通り、同じ80点でも模試の方がはるかに難しいものです。

とはいえ、常に右肩上がりというわけではありません。
今まで40点・50点だったのが急に80点を取れたと思ったら、また40点に戻る。
しかし、これは決して悪い傾向ではありません。

成績が上がる。つまり、安定して高得点が取れるようになるのはもう少し先の話です。

それまで出なかった点数帯が、ごくたまに出るところから始まります。
最初は10回中0回だったのが、やがて10回中2回、3回、4回と、当たる回数が増えていく。
それが「伸びの予兆」です。

彼は「最近あまり勉強している気がしないのに、結果が出てしっまっている」と話してくれました。

おそらく、新しい問題をどんどん解いているわけではないからでしょう。
彼が今やっているのは「すでに出たものを確実に解答できるようにする。1度間違えた問題は二度と間違わないようにする」という地味な勉強です

派手さがな分、進んでいる感じがしないのです。

「勉強している実感がない」と本人は言います。しかし、これこそが「勉強の王道」です。

ヒットが出始めている今、本人は「まぐれかも」と思っているようですが、
私から見れば、ここまでの努力の積み重ねが結果として表れ始めているだけ。

ここから大切なのは、この良い流れを止めないことです。
自分のやり方に対して疑心暗鬼になり、弱気にさせないことです。

点数のアップダウンがあっても、今のやり方は1㎜も間違っていません。
「弱気になるな。このまま続ければ突き進めばいい。」そう伝えました。

自分が正しい方向に進んでいるかなんて、誰にも分からないものです。
だからこそ、少し先を知っている者が「それでいいんだよ」と背中を軽く押してあげることが大切だと思います。