定期試験の勉強を進めるうえで、ひとつ大切なアドバイスをしておきますね。
「問題を解く」「教科書を読む」といった、与えられたことは丁寧にこなそうとしてくれます。それ自体はとても良いことです。
しかし、その一方で、確認テストでは思うように点が取れず、制限時間がギリギリ。本番でも期待したほどの結果が出ない。
そんな経験をしている人も少なくないと思います。
そうした子たちに共通する特徴のひとつが、「覚えるための時間を計画的に取っていない」ことです。
せめて、2時間勉強したらそのうち1時間は「覚える時間」に充てる。
この“覚える時間”を意識して勉強を進めているかどうかで成果は何倍も変わります。
中3のこの時期から特に差がつき始めるのは、こうした2歩進んでは1回止まるという訓練を低学年のうちから身につけて来たかが影響していると感じます。
言われなくても勝手にできるようになっていたら最高ですが、もしそうでなかったとしてもここから意識することで変えられることは数多くあるはずです。
この時期になると、問題一つひとつの重みも増し、学習量が一気に増えてきます。
「やっているつもりなのに点が伸びない」と感じるなら、それは多くの場合、覚え切れていないことが原因です。
例えば、数学は本来、論理的に積み上げて結論を導く教科です。
しかし高校入試に限っていえば、そうした高度な思考力よりも、「解き方を覚えるながら進めること」が何より重要です。
誤解を恐れずに言えば、特殊な発想やひらめきなど必要ありません。
むしろ、特殊と思われる発想ですら「暗記」の延長にあります。
「く」の形が出てきたら真ん中に線を引く。
ブーメラン型が出てきたら、角度を足すか、メネラウスの定理(補助線)を使う。
こうした対応は、暗記しておくことで迷わず処理できます。
大切なのでもう一度、強調しておくと。
「要点を暗記するための時間」を、しっかり確保しながら進めること。



