再開します。

夏休みの間は毎日が本当に忙しく、ブログの更新も出来ませんでした。すみません。。休みとは言え、完全にオフになることはもちろんありません。自営業者は常時仕事なので、完全なプライベートはありません。。。随時日々トレのチェックがLINEで流れてくるため、四六時中スマホと睨めっこです。

もちろん、たまの休みなので子供達は珍しい生き物が家にいることを発見するや否や、カブトムシを棒でつつくかのように興味の塊となって飛び掛かって来ます。一応お父さんとしての仕事もしない訳にはいきませんので、一日はあっという間です。怪獣が起きる前と寝静まった後の時間が唯一自由時間です。そこが授業予習と教材準備の時間となります。そんなこんなでしたので、ブログを書く余裕がありませんでした。もしかするとあったのかも知れませんが、それ以上に心の余裕がありませんでした。塾の先生は長期休暇の方が大変なのです。笑

さて、ここからは少し余裕も生まれるので、書ける日はしっかり書いていこうと思います。夏前は比較的短めの文章にしていたのですが、書く時はしっかり作文しようと思います。

実はこの夏、講習生が40名弱来てくれていました。開校した時が35名でしたので、それを超える数の子たちとの出会いがありました。(これが実力ですと言えればかっこ良いのですが、ただの運です。)ほんの数名しか来なければその特徴も見えないのですが、ある程度纏まった数で来ると少しその子たちに潜む考えの傾向らしきものが垣間見てくるものです。

結論、中学生の学力は崩壊していました。控えめに言ってもどうしようもない状況で来られた方が多かったです。それは学年が上がれば上がるほどより深刻な状況でした。

深刻な点とは「自分の実力と志望校が大きく乖離していることに気づいていない点」です。
この問題には3つの大きな誤解があると考えています。

1️⃣ 受験の現実と実際の自分の学力が正確に把握できていない。
「車を手に入れたならどこまでも行ける!」安直に考えてしまっていることが原因です。今まで徒歩だったので、車のエンジンを手に入れれば、相当量前に進むことが可能です。きっとゴールできると誰しも感じてしまうでしょう。しかしそれは錯覚です。仮にゴールまでが100km程度なら、それも正しいでしょう。実際のゴールは4万kmも先です。地球1周分です。時速50kmで進んでも800時間かかります。残り時間がこの800時間より長ければ問題ないのですが、実際は800時間よりも短いのです。これが第1の誤解です。

2️⃣ 実際は時速50kmも出せない。
定期試験が平均点に満たない生徒は点数に比例して暗記量も小さいのが現実です。ここからしっかりとアクセルを踏めば行ける。確かにそうなのでですが、それはアクセルを強く踏める場合に限ります。実際、点数の低い子は、踏み込めるアクセル量が小さいのです。目一杯踏み込んで出せる速度は時速5kmです。この場合だと8000時間かかります。とても間に合いません。これが第2の誤解です。特に点数に比例して頭の器が小さくなっているという点は盲点になりやすく、見逃しやすい点です。

中学1年生はそれに比べるとまだ症状は浅かったです。しかし、それでも十分すぎるくらい症状は進んでいました。きっと、まだもう少し大丈夫。今は様子を見て判断しようと思ったのが原因ではないでしょうか。(一昨年鼠蹊ヘルニアになり騙し騙し過ごしていたのですが、ある時お腹から塊が一気に飛び出てきて、ついにガンになったと慌てて病院のお世話になった自分の体験談からです。。。)

忙しい人ほど病院に駆け込むのが遅くなりがちです。中学生の場合、特に部活に打ち込んでいると塾に通うことの重要性は忘れがちです。部活をしながらも塾に通っている友達の存在はもちろん知っていたでしょう。しかし、スポーツ、遊びの優先度がそれ以上に高く、勉強への優先度が落ちていたのでしょう。こういう場合、症状がうっすら現れていても、まだもう少し行けると通塾の決断を先延ばしにしがちです。(私の場合は、何だか硬いしこりでした)。ある日突然、足が動かないとなって初めて病院に来ます。(私の場合、握り拳みたいなのがボッコーン飛び出してきました。恥ずかしい話ですが、最前列の生徒は私に股間が2つあるように見えたかもしれません。)ほとんどの場合、悪くなってから慌てるのですが、本来は悪くなる兆しが出始めた頃です。

学校で言い換えれば、これは定期試験で平均点を割ってしまった段階です。
その時点で、みなさん塾に通わないと行けないかな。と一瞬通塾が頭をかすめているはずですが、決断の先送り。いや、問題の先送りをしてしまいます。しかし、実際は既に危険信号が灯っています。(私の場合は危険チン号ですね。もう流石にいいですね。。。)

平均点が取れないとはどういう症状か。例えば、机に2時間も座っていられなかったり。参考書を読んでも書いている内容が捉えられなかったり。解説を読んでも、自分の間違いに気づけなかったり。採点が不正確であったり。加えて、先生の話が10のうち3も理解していなかったりなどなどです。平均点を切るとはこのような状況です。

全体の真ん中というのは当たり前のことが半分程度できている状態とも取れますが、一方で、あたりも前のことが半分も出来ない状態とも言えます。

さて、第3の誤解に入ります。

3️⃣ 学年が進むと1回の試験範囲で出題される情報量が増える
1年生の1学期末で出題される情報量(知識量)を仮に100としましょう。そしてそれを処理する150の能力を持っていると仮定しましょう。1学期の間は難なくクリアーできます。2学期になると出題される情報量は130になります。3学期ともなれば180となります。そうすると3学期にはできるはずのことができなくなり、平均点以下になります。定期試験と一言で行っても時期により求められる知識量は大幅に増加します。しかし、先ほども書いたようにある日突然能力が開花するわけではありませんので、150の能力が152になり154になり、じわじわとしか増えないことです。1年生の3学期末で大きく得点が落ち込むのはこれが原因です。能力の上昇速度に比べ、出題される情報量の増加速度の方が大きいためです。この後、2年生になれば、知識量は230近辺を上下する感じです。少なくなるのは決まって中間試験の時です。中間試験は情報量が少なく、点数が取りやすくなります。(テストに出るのでこのポイントを押さえてください。)

さて、この3️⃣の問題をクリアーするのは小学校時代の鍛え。または中学校に入ってから勉強の仕方、それも正しい勉強法を叩き込むしかありません。正しい方法を身につければ、150、152、154のペースで増えていた速度を150、160、175と増やすことも可能です。遅れは決して取り戻せない訳ではありませんが、正しい練習と適切な手引きが必要となります。具体的には何をすれば良いかはまた機を見て書こうと思います。

まとめると、春ではなく、「夏」に来られるという思考そのものが思考の癖を示しているように感じました。それが良い、悪いということを言っているのではありません。

春:新学年への準備先取り思考グループ。
夏:様子を見ていたが、やはりダメか・・・と事後判断思考グループ。
冬:次学年に向けた先取り思考グループ。1学期、2学期と様子を見ていたが、やはりダメか・・・と事後判断思考グループ。2つのグループの共存。

早め早めに判断ができる人達がいる一方で、決断を先送りをする癖のある人も存在します。後者は今後早め早めの判断をしないと後手を踏みやすいく、危険領域に突っ込みやすい。そういった自身の癖を踏まえた上で今後の行動を取る必要がある。

(私自身の体験も含め自戒の念を込めて)

講習会への参加時期を例に取りながら、思考の癖と関連付けてお話をしました。特に受験に関して言えば、時間に限りがあるものなので、他のこと以上に後手を踏む可能性が高まりやすいと思います。