春から入塾した子。本当の正念場はいつ?


 今日は、先日入塾してくれた女の子についてのお話ね。この子は別な塾に今まで通っていた子なんだよ。聞けば、「近隣の塾ほぼ全てに通った」(笑)って言ってたね。だから相当な塾ホッパーなんだよ。各所での指導が長く続かないのはきっと姿勢や考え方のどこかに原因があるはず。定期試験の点数は5科目150点前後。面談時に「受け入れてもらえるんでしょうか?」とお母さんも心配で何度も確認されてたね。普段ならもしかするとお断りしていたかもしれないね。にも関わらず何で入塾してもらったかっていうのには2つ理由があったんだよ。
 ①個別指導からの転塾だったから。
 ②明るかったから。
では、一つ一つ説明していくね。
 ①ウチが集団授業だから、ウチを辞めて他の塾に行く子は大半が個別指導。この子はその逆だったわけ。ここの個別指導は授業中に寝ていても何も言われないし、授業の大半が先生とのおしゃべり、30分くらい指導をして、最後の10分で次回に向けての宿題をやって終了。家庭学習はもちろん無し。ゆるゆるのお遊び塾。(誤解がないように。ここがダメと言っているわけじゃありません。ちゃんと選んで行かれている方がいるという事実は世の中のニーズと合致しているからなんです。資本主義の世の中においてニーズが無いものは淘汰されていきます。にも関わらず存在しているということにはそれでも行かないよりマシと言うニーズがどこかにあるはずなんです。)そんな塾にいれば、子供からすると楽で居心地が良いはずなんです。こから抜け出して近所でも有名なゴリゴリ勉強させる塾に入ろうとするなんて相当な覚悟がないと出来るはずありません。それが証拠に、「近隣の塾ほぼ全てに通ったし、体験にも行った。」その後にウチに来たんですから。笑。最初本人にも「ぬるま湯からの環境だとウチは相当大変よ。毎日課題も出るし。修正すべき行動にはバンバン指摘も入るし辞めるなら今だよ。」って確認したら。「こういう環境だからこそ選ぼうと思ってるんです。今回は友達の○○ちゃんと来たけど、もし友達の◯○ちゃんが入塾しなくても私一人でも入塾するつもりです。」こう言ったんですよね。なるほど、この子覚悟決めてるなって。これが1点目。
 ②とにかくずっと笑顔なんですね。暗さが無いのね。面談では色んな子がいるので、中には先生と目を合わせて会話をしなかったり、自分の意見を母親に代弁してもらう子っていうのがいて。そういう子は甘えが強かったり、覚悟を決める肝心な場面でどこか逃げてしまうことがあって。だからこちらとしてはちょっと警戒するんです。入塾してもらうのは嬉しいことなんだけど「伸ばす」ことが使命なのでそれを考えると都合が悪いんですね。結果的に退塾させてしまうことになるので。これはお互いにとって不幸。話を戻すと、この子はずっと笑顔で。こういう愛想の良い子って大人から可愛がられるんです。だから周囲からも協力を得られやすいというか。大事ですよ、こういう能力。「勉強は出来ませんが頑張ります!」って笑顔で。じゃあ、こちらもできる限りのことはしてみよう!って心が動かされるんですよ。
 この2つが大きな理由でした。昨日の日々トレもこんな感じ。

そりゃもちろん、まだまだ穴はあるけど何とかしたろうという強い意思。言われた通りにやってみようと取り組む姿勢がノートからヒシヒシと感じられます。つい先日まで5科150点くらいの学力ですから、相当の頑張りです。
 さて、こんなに長く話してきたのに、実は本題はここではないのです。笑。ここまでであれば、「勉強が苦手な子が入塾してよく頑張ってます。入塾を機に少しずつ変わり始めてます。」こういった話になるでしょう。
 問題はここからです。何事も最初はキラキラしているから頑張れるんです。本当の戦いは夏くらいからでしょう。塾に慣れ、全てが普通に見え始めた頃からが正念場です。日々トレも長く続けるから意味が出てくるもので、短期でどうこうというものではありません。「始めることよりも、続けることの方が圧倒的に難しいんです。」この子が本当の意味で変われるかどうか、それが理解できるかどうか。今までの自分のやり方を変えられるかどうか。それが試されるのはこの先です。私たちが見ているのはそっちです。