相互採点の落とし穴と、生答案へ原点回帰。

先日、卒業生のKくんがフラリと教室を訪ねてくれました。 すっかり大人びた彼と当時のことを振り返っていた時のことでした。

「先生、相互採点って、ピンキリなんですよ」

Kくんが漏らしたその一言が、胸に深く突き刺さりました。

聞けば当時、Kくんは採点を同じクラスのTくんにお願いしていたそうです。 このTくん、まさに鷹の目を持つ男。 助詞一つのミスも、ニュアンスのわずかなズレも見逃さない。まるで天才外科医がメスを振るうような、研ぎ澄まされた採点の男です。

だからKくんも、あいつにアラを探されてたまるかという、悪い意味ではなく、心地よい緊張感の中で答案を入念にチェックしたと言います。

ところが、相手がTくん以外だと、途端に空気がゆるくなる。

aだろうがtheだろうが、まあ、だいたい合ってるでしょとスルーされる。 ザルで水をすくうような、何も残らない採点です。このままでは採点が面白くない。気づきの得られない採点を避けるべく、あえて採点の厳しいTくんに採点をお願いし続けていたそうです。

確かに、当時Kくんがそんなことを考えていたとは思ってもいなかったですが、今思い返せば「先生、これはどうですか?」という質問を良く採点時にしていたことを思い出しまいた。

この話を聞いて、ハッとさせられました。

かつて私が塾を立ち上げた頃、採点はすべて私の手で行っていました。 一枚一枚、「だれがどんな考え間違いをしているのか、答案の中身、そこに書かれるメモから生徒の思考の跡を追いかけていました。

生徒たちも先生の目に晒されるという緊張感を持ってテストに臨んでくれていたように記憶しています。 しかし、一人で全科目を抱えるワンオペ塾の宿命。あまりの分量にパンク寸前となり、やむなく相互採点に切り替えた経緯がありました。

やはり、そうかと。 ピッキングナイフのように鋭いKくんの指摘は、私が忘れていた答案を直接見ることの原点を思い出させてくれました。

というわけで、今日の中2クラスはすべての答案を回収し、私が直接採点しました。

「先生、急に答案を送り付けてきて、どうしたん?」と思われたご家庭もあるかもしれませんが、今後は出来る限り、私が生答案を見ていきたいと考えています。

やはり、本物から得られる情報量は点数だけをヒアリングするのとは違います。

生ビール、生キャラメル、そして生茶。やはり生が流行りです。

(キリンから感謝のお茶が届くよう、下心を添えて。)

生答案には間違いへの道筋が、まるで浮き彫りのように現れます。

答案を送りながら、どこを修正すべきかを伝えられますし、補講の声掛けもすぐにできます。10年前はこんなことをもっと泥臭く繰り返していたように思います。

それに伴い、宿題の回収も再開します。

今後は
①ルーズリーフで提出するか、
②ノートを2冊準備して交互に提出するか、
どちらかでお願いします。

これは全学年共通です。
小学生〜中1コースは春の面談でお伝えした通りですが、特に新中2・新中3の皆さんは提出方法が少し変わりますので、要注意です。

少し手間は増えますが、ここまできっちりとやってこなければ合格点は貰えないんだという基準と緊張感を示す機会になればと考えています。

保護者の皆様、今日以降今後答案が送られてくるのはこのような経緯からになります。

さて、私もこれから山のような答案と格闘してまいります。