昨年は過去最高の退塾者数でした。。。その2。

前回の「その1」に続き、今回は「その2」について話します。

多くの退塾者の保護者から「自習が多い」という意見がよく聞かれました。
おそらく自習時間が無駄に過ごされていると捉えられてしまうのかもしれません。
これは実際の様子が保護者には見えないからかも知れません。

一部の保護者からは、「自習だけなら家でできる」「もっと授業を行ってほしい」との声があります。

確かにうちの塾では他と比べて自習の時間が多いですね。
授業料を支払うのは自習のためではないと思われるかもしれませんが、授業はあくまでも手段。目的は成績を上げることです。


自習という言葉が適切でないのかもしれませんね。
「定着用授業内演習」という表現くらいにすると、その必要性がより伝えられる気がします。

学生アルバイトが、「大学の授業が楽しくて、さぼることは考えられません。毎日1限目から参加しても苦ではないですが、成績が思うように取れないんですよね~。」と言っているのを聞くたびにこのことを考えてしまいます。


「大学の図書室にどれくらい通ってますか??」

<自習時間が必要な理由>

学校で週5日で30コマ近くの授業を受けても成績が伸び悩む場合、まず3つのことを考えます。

1 学校の授業の質が低くて理解できない。

2 そもそも授業を聞いていない。

3 授業は聞いているが理解できず、十分な演習時間も確保されていない。

1番目については、成績が良い生徒もいるため、学校の授業が原因ではないと考えるべきでしょう。2番目は可能性がありますが、このケースで塾に来ても成績が上がるとも限りません。学校の授業と塾の授業両方から良いとこどりをしてやるという考えが必要です。

3番目に該当する生徒が塾が対象とする生徒です。

勉強が得意な人でも他人から教わるだけでは成績はほとんど上がりません。本来は自分で参考書を読んで勉強をすれば良いのですが、モチベーションが低い間は、強制的に演習時間を入れる必要があります。

例として、中3Bクラスで話します。3Bは1週間に3コマの授業、演習時間が9コマ設けられています。これは家庭によって多いか少ないかの判断が分かれるところです。Bクラスの多くは定期試験で400点に達していないため、この位の演習時間は必要だと考えています。

理想的には授業をあと2コマ、演習時間を6コマ増加させたいのですが、1日3コマを塾で過ごすとした場合6日~7日、通塾することになります。勉強に対してそこまでモチベーションが高くない段階では、「げー」しか出ません。「Goda塾=刑務所」と噂されるのは確実です。

「次までに家でやっといてね~」で、こちらが望むやり方でやってくれる生徒は少ないです。
家でやれない、やらないことを前提にカリキュラムを組んでいます。授業内完結が基本です。そのため、3年生ともなると周囲の塾よりもどうしても通塾回数が増えてしまいます。

これにはうちの募集の仕方が原因です。勉強が得意な子も、そうでない子も来ます。よほど態度が悪い場合以外は、まずは一緒に始めてみようというスタンスです。昔から比較的門戸を広げて募集してきました。

「その1」で話した習慣化もそうですし、自発的にできない子が塾の助けを借りて勉強するのは自然なことです。そもそも家庭学習でどうこうしようとしては考えておらず、塾内で完結する指導です。その代わり、塾に来ている間は目一杯頭を使ってもらい、暗記すべきこともその場できちんと覚えさせてから帰宅させます。だから、自学時間内での私語や集中力低下には指導が入ります。そこにはピリッとした緊張感を持たせています。

よく「家では殆ど勉強する姿を見ません」というコメントを頂きますが、「塾の設計通りです。」としか言えません。(A組は逆で、塾では授業を聞いて帰り、演習は家庭学習に任せます。指導法が異なります。一つの塾内に2つの指導スタンスが存在します。)

この言葉は、外で仕事をして、帰宅後もアルバイトを掛け持ちし。休みの日には翌週に向けて今週の仕事を振り返りをしなさいというくらいの苦しさを感じます。毎日学校に行き、週4日の通塾。塾がない日にも家で勉強している姿を見せることは必要ですか?

皆がプロを目指している訳ではありません。週末に草野球チームで汗を流しながら勉強もスポーツもそこそこ頑張りたいと思う子たちがいても不思議ではありません。

受験期になると家庭学習「も」入れていかないと間に合わないのはその通りですが、その時期が戦時だとすれば平時とはモチベーションの質が異なります。

「やらなければ」という必要性を感じたら必ず動くようになります。そのための下地作りが平時だと考えています。

私の考えとしては、勉強が決して得意でないにも関わらず、少なくとも1週間で12時間を塾に捧げようという最低限のコミットをしているわけですから、その12時間の中で最大限の効果が上がるようにサポートするのが塾です。



効果を最大化するため、毎回の授業内容はカリキュラムによって厳密に組まれています。その授業に紐づく演習で何をどこまでやるのかも明記しています。カリキュラム自体が勉強の仕方を仕込む手順書となっています。


カリキュラムの組み方こそ塾の生命線と考えていますので、ここではお見せ出来ませんが、反復回数、反復期間の指定、取り組み回数、テストの入れ方、取り組み方法など、事細かく指示された上での時間が「自学」です。

「自学」=「ぼーっと過ごす自習」という図式はうちの塾では成り立ちません。時間内で終了させて帰宅。勉強が得意でない子でもそれなりの成果を出すための演習時間です。

例えば音読について。「家でやるんだよ~」だけで、言われた通りにやりますか?授業で見せて、目の前でやらせてみて、日々トレで積み上げ。そのフォームに乱れがないかを毎日の提出物で確認後、修正。これの繰り返しで初めて「正しいフォームで定着」となるのではないでしょうか。

「あとはやっといてね」なんて無責任の塊です。加えて、出来なければ自己責任なんて、誰の何のための塾?って思ってしまいます。

自学時間は正しいやり方を仕込むための一丁目一番地です。

勉強が得意な生徒の成績をあげるのはもちろんのこと、勉強が決して得意でない生徒に対しても、どうやったら成績を上げられるかをど真ん中で考えています。
授業では、どうやってモチベーションを上げるか、そのためにどんな話をしようか。自学では、どうすれば必要最低限の演習ができるかを考えています。

「必要な無理はさせますが、不必要な無駄をさせないようにどこを削ればよいか」をど真剣に考えた結果がうちの自学です。



今後入塾を考えられる方は自学に対するスタンス等を理解して頂いた上で来ていただけると話がスムーズになりますので、幸いです。