最後に成績を伸ばす生徒の共通点

昨日、中3の授業で「まとめノートを作ることの大切さ」を強調しました。
併せて、過去にまとめノートを作りながら成果を出してきた生徒の話も紹介しました。

では、なぜまとめノートを作るのか。

物事の順序や理屈があやふやな単元ほど、書いて整理することで理解が深まります。

大切なのは「ノートそのもの」ではなく、「まとめるという行為」です。その過程を通じて頭が整理され、理解が進み、その結果としてノートが残るのです。

「高校受験でわざわざまとめノートが必要?」という声もあるかもしれません。

たしかに内容も限定的で、複雑過ぎない高校受験程度であれば、問題を解けさえすれば何とかなる世界です。

しかし進学後はどうでしょう?

高校に進むと学習内容は膨大になり、問題演習だけでは到底間に合いません。そのときに必要になるのが、これです。

「傾向と対策」を練るのです。
まとめノートの作り方は大きく二段階に分けられます。

1つ目は、間違えた問題の解き方と、その周辺事項を書く。問題とともに。問題をコピーして貼り付けるのも良いでしょう。その他、図表などが入ると情報の整理がしやすくなりますね。
2つ目は、問題のどこに気を付けるべきか対策を書く。特に数学ではめちゃ大事。

ここまでできれば、立派です。

「まとめ」と聞くと、教科書を最初から最後まで整理しなければならないと思うかもしれません。しかしそれは非効率なのでやめましょう。

定期試験や模試で間違えた部分をストックしていけば、十分な量になります。自分が過去に間違えたすべての問題が並んでいるノートです。これが頭に入っていて、伸びないわけがありません。

一つ例を挙げましょう。お金を貯めるとき、多くの人は「どう増やすか」に目を向けますが、実は本当に大切なのは「出ていくお金を減らすこと」です。

塾経営も同様で、経営を軌道に乗せる第一歩は退塾者数をゼロにすることです。その他には卒業という概念をなくし、引き続きその次の3年間も面倒を見る。つまり塾から出ないでいてもらうことです。決していやらしい意味ではなく、経営する上では当然考えなければならないことです。この原理原則を守れば、必然的にお金は残るようになります。

勉強も同じで、たくさんの問題を解こうとするのは当然必要なことです。しかし、それ以上に「解いた問題が抜けないように栓をする」ことがもっと大事です。

奈良高校に進学したA君は、高1のとき「勉強がうまくいかない」と相談に来ました。高校の進度は速く宿題も多いため、解く事しか出来ておらず理解できているのかイマイチピンと来ず、理解がふわふわしていると言っていました。

整理する時間がとれないことが原因でした。そこで数学の予習などはやめてしまい、復習型の教科と予習型の教科に分けて、時間を捻出するように指示。浮いた時間でまとめノートを作ることを提案しました。まとめノートも「数学と英語だけでよい」と限定し、負担を減らすよう提案しました。

真面目な性格ゆえ「あれもこれも」とプレッシャーを感じ、全体がうまく回らなくなっていたのです。それでも彼が高校に入ってもまとめノートを続けようとしたのは、高校受験期に最も役立った経験だったからに違いありません。

また、現在高3で大学受験を控える卒業生がいます。現在も弟が通塾しており、その姉が「高校受験時に使った社会のまとめノートをあげようか」とくれたそうです。しかし、数日後「やっぱり返して」と言われたそうです。今でも使えることが詰まっているから手放せないと。作ったものが時間を経ても再び役立つという好例です。あげたのに…。

今年高校に進学した生徒のまとめノートが非常に丁寧に作られていたので、後輩に見てもらいたいと、貸してもらいました。「いつ返せばいい?」と尋ねると、「いつでも構いません。もう必要ないので」と言ってくれたのですが、1週間後、学校の学力調査を前に「すみません、やっぱり返してください」と急に連絡が入りました。笑ってしまいましたが、それだけなくてはならない存在だったのです。

こうした卒業生たちの行動からも、まとめノートがいかに意味を持ち、学習の中心になっていたかが分かります。本当に無駄なものであれば、わざわざ取り返したりはしないでしょう。

この日の授業後に、早速男子2人が「まとめノートの作り方ってこんな感じでいいですか?」と尋ねてきました。

やる気が芽生え、「できるようになりたい」という意欲が出てきていることが伝わってきました。素直にその行動が嬉しかったですね。

ここから最後、グッと伸びてくる生徒には共通点があります。
それは「一度間違えた問題を二度と間違えないようにする」という姿勢です。難問は誰にとっても存在しますが、すでに出会った問題を確実に取れるかどうかで得点の安定度が決まります。

入試は高得点をたたき出す勝負ではなく、得点安定度での勝負です。入試の原理原則です。

要するに、知識の抜けに“栓”をすることこそが、最も大切で、効率的で、成績を大きく伸ばす力になる。このことを、いくつもの例を通じて伝えました。

おしまい。今日は、長かったですね。