B組「勉強の仕方を、一つ一つ身につける」

定期試験期間中、B組は演習を通して勉強の仕方を指導します。良いとは言えない勉強の仕方を見付けては、なぜそれが良くないかをその場で説明して修正します。

そのため、定期試験対策期間は範囲のある勉強を通して、「勉強の仕方」を指導することが一番の目的になります。

<1> 丸打ちをせずに前に進めることの問題点

下の写真を見て下さい。テスト直前期の最終確認であればこのやり方も一つです。ざっとスピード良く解いて、一気に確認。いわば直前確認テストのような使い方です。

しかし、これが試験勉強を始めた最初の段階。つまり、単語、熟語、文法がまだ頭に入っていない段階でもしこの解き方をしていたらそれは危険信号です。

「大問1つ毎にマル打ちをしよう」と声がかかります。いや、「マル打ち」よりも「バツ打ち」と言う方が良いかもしれません。生徒はどうしても「正解にしたいと」という気持ちが先立ち、正解と思い込んで安易にマルを打ってしまいます。

「バツをマルに変えてこそ勉強」くらいに考えるのが正解です。

次に、「分からない(空白が出来てしまう)のに前に進む」ことが気持ち悪いことだと感じていせん。だからこそ、前に進められるのです。

最低でも見開き1ページ毎に答え合わせ(バツ打ち)を行う。何なら、小問1問毎に解答集と付き合わせるくらいでちょうどです。

知らない単語に出会えば辞書を引き、発音の確認。社会であれば用語集で言葉の背景を確認。

そうすると一気に勉強に深さが出ます。これが単元後半になると、点が線になり「なるほど、この単元のポイントはここや!」と見え始めます。

バツを打ちながら進めない勉強は、ただ解くことだけが目的になっており、一通りワークを最後まで解いたのに何も身についていないという最悪の結果を引き起こします。

<2>出題意図を理解する

例えば、「たくさんの」と言えばどんな英単語を思い浮かべますか?大半の中学生はmanyでは無いでしょうか。

しかし、定期試験においては必ずしもこれが正解とならない場合もあります。なぜでしょうか?

定期試験には「単元」の指定、「ページ指定」がありますね。「その中から出題しますよ」という意味です。言い換えれば「その中にしか答えはありませんよ。」といういみです。

仮に、単元の中に「a lot of」があったとしましょう。そして単語の問題で「たくさんの」と出題されたとすれば当然解答するのはa lot ofです。これをmanyでも正解でしょ?と言うのは幾分乱暴です。丁寧な先生は(3語で)とか注をつけるのかも知れませんが、そこはやはり汲み取るべきです。

「問題作成者が求めているであろう、解答を書いてあげる」という姿勢が受ける側には必要です。

答案は自己中ではダメです。自己中答案を書く生徒は単元の狙いが掴めていないことが多く、単元を平面的に捉えがちです。

例えば、社会の教科書。各ページの頭に書かれる「要約(タイトル)」を読み流すこともこの手の生徒には多いのが特徴です。何を中心に解答すれば良いかを掴まずにダラダラとした記述解答をしてしまうことも少なくありません。

定期試験は試験範囲のある試験であることを忘れてはなりません。

「解答者には思いやりの心が必要です。」

<3>転記作業を必ず行う

<1>とも関係しますが、試験期間中は効率的な勉強が求められます。

ここで一つ例を考えてみたいと思います。

ワーク1回目で解答した100問の内、50問が正解だったとしましょう。間違えたところをやり直します。次に、間違えた50問を解き直します。これが2回目です。そうするとまた半分の25問で間違えます。やり直しをして、次にもう一度解き直します。これが3回目です。3回目の解答で全てが正解になったとしましょう。最後に頭からザーッと見直して、完璧に理解しているか。反射的に解答方法が答えられるかを確認するのが4回目です。

ワークは4回解こうと言われます。これくらいやって初めて定着します。

さて、重要なのは1回目に間違った段階で問題番号の横に「✖️」を打つことです。これを「転記」と呼びます。

2回目の直しで間違えたらばその横に「✖️」を打ちます。2連続で間違えた問題はバツが2つつくことになります。このバツを記録することが短時間で効率よく得点をあげるための大切な行為です。しかし、意外とこれを忘れる生徒がいます。

転記をしないことの問題点は一度間違えた問題は繰り返し間違え易いということが理解できていない点です。

勉強が上手な生徒はこの記録(転記)を怠りません。

↑解いています。

しかし、転記がどこにもありません。↓

先の話になりますが、定期試験後も適度に戻って復習する必要があります。過去の間違いが正確に記録されていないと「復習」が宇宙の如く壮大なものとなり、どこから手をつければ良いのか分からなくなります。

しかし、この記録は上手に使えば試験前の勉強も、試験後の復習においても「お助けマン」になります。(ジェンダーフリーのこの世の中では、もうアウトですね。「お助けパーソン」としておきます。)

中3にはよく言うのですが、中3秋から焦るのは過去の復習が手薄な為に起こります。理想的な話を言えば、中1、中2で学習した内容が完璧に身に付いていれば、中3の一年間ほど楽な1年はありません。(極端ですが・・・)

「転記を忘れることの無いように」と言いますが、実は口でいうほど簡単ではありません。その場で見つけては、指示を出し。これの繰り返しの中で少しずつ記録が出来るようになります。

勉強の上手い下手を見分ける際は、ワークの問題番号の左に転記の有無を見れば分かることが少なくありません。しっかりとこの意味を理解し、きちんと行動に移せるようになるにはやはり1年近くは要します。

さて、今日は3つだけ書きましたが、続きはまた今度。