文章読解が出来ないのは一体何が原因なのか?



小学生の国語の問題に接続語の問題が多く出てきますね。



段落の頭に〔    〕が付いていて、そこに接続語を入れる問題です。




なぜ、こういった問題が出題されるかご存知でしょうか?




と言っても私も専門家ではありませんので、あくまでも予測ということでお話ししてみたいと思います。





言葉の学習には段階があります。




== 小学校入学前 ==
①具体的なものの名前(名詞)

これは「これが電車だよ」とか「これがボールだよ」と映像でかつ視覚的に見せられるので教えやすいですね。



== 小学校の4年生くらいまで ==
②抽象的な言葉(形容詞や副詞など)

この時の登場人物の気持ちはどう思う?



「うれしい」とか「悲しい」など。



説明するのが難しい言葉を理解していきます。


だからこそ、こういった気持ちの流れを理解するには物語文を読ませるのが効果的なんでしょうね。



== 小学校5年生くらいから ==
③関係を読み取る言葉(接続語)


さて、ここからが今回のテーマですが、接続語は一つ一つの言葉を説明をするのではなく、文と文との関係を示す言葉です。




例えば、「しかし」とあれば前に書かれている内容とは逆の内容が後に書かれます。



後の内容が詳しく書いていなくても、「しかし」を使って、書かれてないものを読み取ることができるようになります。


例を挙げると、「Aの意見は正しいがしかし、 ・・・」



こうあれば、何かが間違っているという内容になります。



「関係性を元に、見えないものを見ていく」ステージです。



学年が上がると国語が苦手になるのはこういった目に見えないものをくっきりと浮かび上がらせる読み方が求められるからです。



筆者の主張を探す旅が始まります。



現在、中学生のテキストは好学出版のウィニングという教材を使っています。



この教材は、中1のテキスト冒頭部に「接続語」をテーマに取り扱っています。


テキストの最初というのは一番伝えたいメッセージが出てくるものですので、この辺りを仕込みたいという教材開発思想なんだと予測し、この教材を採用しています。


国語ができる生徒は小学校高学年あたりからこういった文章の読み方が徐々にできるようになってきます。


それは、作文などに顕著に現れます。


奈良県の公立入試では、150字〜200字程度の作文が毎年出題されます。



国語が優秀な生徒は、接続語などを多用し、文と文との関係性を意識しながら記述します。



しかし、そうでない生徒は頭に浮かんだことをツラツラと羅列するばかりで、文と文、段落と段落の関係性を意識して書くことが出来ません。






ここまで書けばお分かりの通り、


「国語の成績を上げたければ沢山本を読みましょう。」


そう言われることも少なくありません。



しかし、それは部分的には正解であり、部分的には間違っていると言えます。




沢山の本を読み、語彙が増えればそれだけ読みやすくなります。




しかし、それだけでは不十分です。





学年が上がった際に求められる文章の読み方は対立概念を利用して「構造的」に読むことです。




通常の本読みでは、このあたりは殆ど意識されることがありませんので、



国語の読解という点においては必ずしも有効ではありません。



つまり、国語の文章読解ができるようになりたいのであれば、それは文章を構造的に読むという訓練を避けては通れません。



本を読む以上に、「文章読解問題を解く」こちらの方が有効です。当然かもしれませんが。




国語を過去に勉強されきたご家族が家庭に居られれば、指導も可能だと思います。


しかし、そうでない場合はちゃんと国語が指導できる塾にお任せするのが良いと思います。



家庭でも文章読解の力を伸ばすことができるとすれば「家庭内の会話の質」。


これを意識的に変えていくことでもある程度達成可能だと思います。
(昨日私もこの課題に直面しました。)


自分の意見を2つ述べる際、「また」という並列の接続語を使用しているとか。



相手の話を受け入れつつも、自分の主張を通す際には譲歩、逆接を利用して話しているか。


例)
「確かに、あんたの言うことも理屈もわかるよ(譲歩)


だけど(逆接)


この勉強量だと志望校に受からないと思うよ(主張)」



少しずつでも意識して会話すると良いと思います。


そういった話し方や主張の通し方が日常的に行われる環境であれば、


国語の文章も意識せずとも読みやすくなるでしょう。



加えて、いざ作文を書く段になっても、何の迷いもなくスラスラとかけるようになるのではないでしょうか。




昨晩、娘が塾で出された国語の読解問題に苦戦していたのを見て。


なぜ、この子はこの読解に苦戦しているんだろう?と考えていたのが今回の記事を書くきっかけです。



娘の場合は接続語の理解が甘く、文章を構造的に読むという点に問題がありました。

正確に言えば読解技術を用いた読み方ができていませんでした。



教えようとしても娘は私のことを聞く耳を持ちませんので、



そろそろ家庭内での会話の質を意図的に変えていかないといけないなと感じた次第でした。



国語は習う先生により、大きく結果に差が出る教科です。